「僕」は便利

俺は昔から、「僕」という一人称をとにかく避けていたし、嫌っていた。俺の一人称は小さい時から「俺」だったし、正直「僕」という言葉は「おいら」とか「わし」とか「あたし」という言葉並みに使うのに抵抗があった。

しかし、例えばブログ上であまり「俺」「俺」と連発させていると、粗暴で自尊的な「オレ様」感的な印象を読者に与えてしまうだろうし、社会生活をおくる上でも年輩者に対して「オレ」を連発するのも失礼にあたるだろう。

ならば「私」はどうか?粗野な感じは一切与えない。それでもって、文面でも口頭で発しても相手や読者に違和感を与えない。

だが、少々小っ恥ずかしい。ついこないまで高校生だったせいか、どうもそういった「フォーマル」な自称の仕方がしっくりこない。相手に違和感を与えることはないかもしれないが。自分の中に違和感が残る。

そうなると、オレみたいな若輩者には「僕」が便利だ。文面でも、目上の人に対しても直接使える。というわけで、18にしてようやく「僕」という一人称をちょくちょく用いるようになってきた。昔のオレは「僕」なんてキザなブルジョアの言葉のように思っていたが、オレみたいな中途半端な立ち位置の人間にも「僕」は便利な言葉であった。