iPad、雑感

昔、2006年頃、学校の先生がiPodのことを「アイパッド」と間違えて言ってしまったことがあった。

「まぁ、英語の正しい発音的には"あいぱっど"の方が近いよね」と当時の俺は不遜にもそう思っていたが、まさか本当にAppleから「アイパッド」がリリースされる日が来ようとは。





今日のネット上の話題はこれで持ち切りだったし、今更俺がコメントすることもないのだけれど、いくつか思ったことを綴ってみる。

1 iPadは次世代への過渡期的デバイス

かつてコンピュータを操作するには、いちいちキーボードでコマンドを打ち込む必要が合ったと聞く。それが目に見える「アイコン」を「マウス」でクリックするだけでソフトウェアが起動するシステムに変えたのは、かのAppleである。

iPadは確かに第一印象は「ただのデカイiPhone」であったけれども、これは未来の「パーソナルコンピュータ」のモデルを示すものではないか。現在の「キーボードとマウス」で操作するコンピュータの、次のシステムモデルの過渡期的マシンではないか。やがてコンピュータはキーボードやマウスより、もっと感覚的に操作できる方向に進化していくはずだ。だとしたら指先で操作できるiPadは、次世代型の最初のモデルたり得るのではないかと思う。

2 FLASH非対応も次世代へのアプローチでは?

iPadiPhone同様にFLASH非対応のようで、これがiPadの不満点のひとつのようにいう人もいるわけだけれども、これはどう考えても意図的だろう。JobsはFLASHは負荷がでかいという理由から嫌いらしいけど、それは「逃げ」の姿勢ではなく、「攻め」の姿勢の表れだと俺は見ている。つまりフラッシュは次の世代に受け継ぐにはそぐわない。もっと軽量でスマートなフォーマットがあるはずだ、と。

フロッピーディスクドライブを最初に非搭載にしたのは初代iMacだったことを思い出して欲しい。これも『フロッピーは次の時代においても有効なフォーマットとなりえない。』と、時代の趨勢を見抜いた結果だろう。iPadFLASH対応していないことをあげつらう人は、「どうしてこのiMacとやらにはフロッピーがないんだ!」と文句を言っていたであろう人と、どうしても同じように見えてしまう。

YouTubeだってHTML5で再生できるようになった。(ちなみにHTML5YouTubeは確かに軽いけど画質はまだまだな印象。)『FLASHというフォーマットも、そろそろ時代遅れだよ』とAppleは言いたいのかもしれない。

だからFLASH非対応は「負荷がかかる」とかいった消極的措置というよりも、iMacにフロッピーを搭載しなかったように、次世代を見越した積極的措置と俺は捉えている。


個人的にはiPhonerになったばっかだし、MacBookで出来ることが出来ないiPadを購入する予定は全くない。魅力的ではあるが、どうしても手に入れたい!とは現状思わせるほどのものでは、(個人的には)ない。ただiPhoneだって3Gくらいの頃はまだまだ荒削りな印象があったけど、3GSあたりにはいよいよ本格的に「使える」デバイスになった印象がある。iPadも次モデルくらいには、本格的に「使える」デバイスとなって登場するのではないか。他社も似たようなモデルを出してきて、競争も生まれてくるだろう。そうなった時がなにより楽しみだ。


(追記)

ところでiPadって日本人にはきついと思う。何がかって?発音がだ。冒頭で「iPodって英語の正しい発音では"あいぱっど"だよね」と書いた。ならiPadは?強引に日本語で表すと"あいぺぇぁど"、かな?ただでさえ紛らわしい名前なのに、日本人には英語の正しい発音の習得まで求めてくる。操作性は良さそうだけど、そういった意味ではハードルの高いデバイスだ笑